分は、1 度の 60 分の 1 にあたる平面角の単位です。記号は arcmin、または数字のあとに付ける単一のプライムで、角度分とも呼ばれます。1 周には 21600 分が含まれます。
海里の長さが今の値になっているのは、この単位のためです。地表の子午線に沿って測った 1 分は、ほぼちょうど 1 海里にあたるので、海図から緯度を読み取った航海士は、計算なしにそのまま距離へ読み替えられます。地球は完全な球ではないため、この関係は厳密ではありませんが、現代の 1852 メートルという海里は、平均値に近くなるように選ばれました。
人の視覚が見分けられる細かさはおよそ 1 分であり、これは視力検査の基準に対応します。標準の視力にあたる行のもっとも小さい文字は、全体で 5 分を張り、線の 1 本ずつの幅が 1 分にあたります。この限界は網膜の視細胞の間隔と、瞳孔による回折の限界から生じており、両者はよく一致しています。
ライフルの射手は精度にこの単位を使います。1 分の集弾は 100 ヤードでおよそ 1.047 インチに広がり、ふつうは 1 インチに丸められます。天文学では見かけの大きさに用います。月も太陽もおよそ 30 分を張っており、皆既日食が起こりうるのはそのためです。
天文 は これ を、望遠鏡 の 前 に 達し うる 限界 として用いました。ティコ・ブラーエ は 1580 年代 に 大きな 目盛り 付き の 四分儀 で 星 の 位置 を およそ 一 分角 の 精度 で測り、その 正確 さ こそ が、火星 の 軌道 が 円 ではなく 楕円 である こと を ケプラー に示させました。この単位は 空 を つかむ 便利 な 手がかり も与えます。太陽 と 月 は どちら も およそ 30 分角 を張るので、半 度 が その 円 の 幅 です。腕 を伸ばして かざした 手 は 数 度 を覆います。空 の 角 を 月 の 幅 に照らして 見積もる こと は、どの 器具 より 古い 習わし です。
1 分は、1 度の 60 分の 1、60 秒、およそ 0.000290888 ラジアンに等しくなります。