| 基準 | ワット時 (Wh) | ジュール (J) |
|---|---|---|
| One food calorie (kcal) | 1.16222 Wh | 4184 J |
| An AA alkaline battery | 2.77778 Wh | 10000 J |
| Daily adult food intake | 2324.44 Wh | 8368000 J |
| One unit on an electricity bill | 1000 Wh | 3600000 J |
| A lightning strike | 277778 Wh | 1 × 109 J |
ワット時は、1 ワット の仕事率が 1 時間流れたときに届けられるエネルギー、すなわちちょうど 3600 ジュール にあたる単位です。記号は Wh です。キロワット時 の小銭にあたり、エネルギーの量が千の位で言うには小さすぎる場面で使われます。
おもな縄張りは電池です。ノート型計算機、電話、電動工具、携帯用スピーカーの容量は ワット時 で示され、機器どうしを比べるときに意味をもつのはこの数値です。ふつう セル に印刷されている二つの数を掛け合わせたものだからです。3.7 ボルト で 3000 ミリアンペア時 と書かれた電池はおよそ 11 ワット時 を蓄えており、アンペア時 の数値だけでは、電圧がなければ何の意味もありません。
航空の規則が、この単位を思いがけず世に広めました。100 ワット時 を超える リチウム 電池は、航空会社の承認なしに客室手荷物として持ち込めず、160 ワット時 を超えるものは旅客機からまったく締め出されています。ノート型計算機や カメラ の電池にこの数値が印刷されているのも、携帯用の充電池がしきい値のすぐ下に収まるよう設計されているのも、そのためです。
小規模な発電もこの単位を使います。庭灯の太陽電池、環境から電力を集める センサー、自転車の発電機は、キロワット時 ではなく 1 日あたりの ワット時 を生み出します。電池 1 本で何年も動くように作られた低消費電力の電子回路は、ミリワット時 で見積もられます。
この単位は、キロワット時 に向けられるのと同じ批判を共有します。SI の整合的な仕事率の単位を、SI 以外の時間の単位と組み合わせているからです。厳密に SI で言えば正しい表し方は 3600 ジュール、すなわち 3.6 キロジュール であり、科学の文章は ジュール を使います。それ以外の場所では、機器の定格との実用的なつながりが勝ちます。
蓄電の設備は、家庭用の電池から系統規模の設備まで、同じ出発点から キロワット時、メガワット時 へと段を上がっていくので、この一族全体がひとつの計算を共有しています。
ここ で、よく ある 取り違え を ほどいておきましょう。電池 の 素子 は ふつう アンペア 時 か ミリ アンペア 時 で 表示 されますが、これら は 電荷 を測るもの で エネルギー ではありません。アンペア 時 が 同じ 二 つ の 素子 でも、電圧 が 違えば 蓄える 量 は かなり 異なります。アンペア 時 に 公称 の 電圧 を掛ければ ワット 時 が出ます。3.85 ボルト の 3000 ミリ アンペア 時 の 電話 の 素子 は およそ 11.6 ワット 時 をもちます。機器 どうし の 容量 の 比較 が ワット 時 でしか 意味 をもたない のも、航空 会社 が 上限 を ワット 時 で定めるのも、ミリ アンペア 時 で 宣伝 する 携帯 の 電源 が、自身 の 変換 の 損失 を数えれば その数値ほど 出せない ことがあるのも、その ためです。
1 ワット時 は、3600 ジュール、0.001 キロワット時、およそ 0.86 キロカロリー に等しくなります。
ジュールは、SI におけるエネルギー、仕事、熱の単位です。記号は J です。1 ジュール は、1 ニュートン の力がその作用点を 1 メートル 動かすときになされる仕事であり、同時に、1 ワット の仕事率が 1 秒間流れるときに費やされるエネルギーでもあります。
この同等性こそが、この単位の存在理由です。19 世紀より前、熱と力学的な仕事は別のものとされ、別の単位で測られていました。熱は カロリー、仕事は フィートポンド です。ジェームズ・プレスコット・ジュールは、一定量の力学的な仕事がつねに同じ量の熱を生むことを、何年もかけて示しました。もっともよく知られているのは、落下する重りで回した羽根車で水をかき混ぜ、温度の上昇を測った実験です。この交換比率、すなわち熱の仕事当量を定めたことが、力学と熱力学をひとつの学問へ結び合わせました。
基本単位を通じて定義されているので、ジュール はあらゆるものをつなぎます。ニュートンメートル であり、ワット秒 であり、クーロンボルト であり、キログラム 平方メートル 毎秒毎秒 でもあります。物理学のどの分野が語っているかに応じて、これらの形のどれもが実際に使われます。電気の、力学の、熱の、化学のエネルギーがすべて同じ単位で数えられ、だからこそ系全体にわたるエネルギーの勘定が成り立ちます。
この尺度は、役に立つ意味で人の大きさに合っています。りんごを 1 メートル 持ち上げるのにおよそ 1 ジュール。心臓の 1 拍がおよそ 1 ジュール。机から教科書を落とせばおよそ 10 ジュール が解放されます。それより下では ジュール は扱いにくくなり、接頭語の付いた単位が引き継ぎます。上では キロジュール と メガジュール が同じ役目を果たします。
食品のエネルギーは本来 ジュール で測られ、オーストラリア、ニュージーランド、欧州連合の表示は、カロリー と並べて、あるいはその代わりに キロジュール を示します。一般の用法で カロリー が生き残っているのはおもに習慣によるもので、1 カロリー が 4.184 ジュール という換算は、測定されたものではなく定義によって定められています。
栄養、弾道学、電池の容量、レーザーの出力、爆薬の威力、そして地震が解き放つエネルギーは、いずれも ジュール かその倍量単位で示されます。まったく異なる分野から来た量を、そのまま比べられるようになるのです。
1 ジュール は、1 ニュートンメートル、1 ワット秒、およそ 0.239 カロリー、およそ 0.000278 ワット時 に等しくなります。