| 基準 | テラジュール (TJ) | デシジュール (dJ) |
|---|---|---|
| One food calorie (kcal) | 0.000000004184 TJ | 41840 dJ |
| An AA alkaline battery | 0.00000001 TJ | 100000 dJ |
| Daily adult food intake | 0.000008368 TJ | 83680000 dJ |
| One unit on an electricity bill | 0.0000036 TJ | 36000000 dJ |
| A lightning strike | 0.001 TJ | 1 × 1010 dJ |
テラジュール は、1000 ギガジュール、すなわち 1 兆 ジュール にあたるエネルギーの単位です。記号は TJ です。国が自国の エネルギー を計上するときの単位であり、工学の カタログ よりも公式統計にはるかに多く現れます。機械ではなく、町の 1 年ぶんの消費に合わせて刻まれた大きさだからです。
国際的な エネルギー 計算はこの単位で回っています。国際 エネルギー 機関は各国の エネルギー 収支を テラジュール で公表し、国際連合の気候枠組みに提出される温室効果 ガス 目録も、燃料の使用量を同じ単位で報告します。排出係数もそれに合わせて示されます。都市 ガス を 1 テラジュール 燃やすと 二酸化炭素 が およそ 56 トン、軽油 では およそ 74 トン、石炭 では およそ 95 トン 出ます。これで エネルギー の数値がそのまま排出の数値になります。
発電もここで語られます。3 メガワット の風力発電機は、現実的な設備利用率で年に およそ 33 テラジュール を生みます。大型船 1 隻ぶんの液化天然 ガス の積み荷は 3800 テラジュール 近くを抱えており、だからこそ 1 回の輸送で小国の ガス 需要を数週間まかなえます。いっぽう系統規模の蓄電池は、いまなお 1 テラジュール の何分の 1 という単位で測られています。
破壊のエネルギーもこの尺度に届きます。TNT 1 キロトン はちょうど 4.184 テラジュール にあたるので、広島に投じられた爆弾は およそ 63 テラジュール を放ちました。マグニチュード 5 の地震はおよそ 2 テラジュール の地震波エネルギーを放射し、マグニチュード が 1 上がるごとにその量は およそ 32 倍になります。マグニチュード 7 の地震が マグニチュード 5 の 1000 倍にあたるのはそのためです。
この単位は、エネルギー の語られ方の境目も示します。これより下では、量は建物と車両と機器のものであり、話題は効率です。これ以上になると、量は政策のものになります。燃料の輸入、助成の仕組み、排出目標、系統の計画です。測っている物理は同じですが、テラジュール は会話が技術のものであることをやめ、政治のものになる場所なのです。
テラジュール の上では、階段は国の部門ごとに使う ペタジュール へ、さらに世界の合計に使う エクサジュール へと続きます。世界の一次 エネルギー 消費は年に 600 エクサジュール あまりです。この階段を下へ読み替えるのは、そのつど小数点を 3 桁ずらすだけの作業です。
1 テラジュール は、1 兆 ジュール、およそ 277.8 メガワット時、およそ 239 ギガカロリー に等しくなります。
デシジュール は、1 ジュール の 10 分の 1、すなわち 0.1 ジュール にあたるエネルギーの単位です。記号は dJ です。デシメートル や デシリットル とまったく同じ作り方で、メートル法 の正当な一員ですが、どちらよりもはるかに書かれることが少ない単位です。それが指す量は、ふつう ジュール の小数として書かれるからです。
この尺度は体で感じ取れます。100 グラム の りんご が 10 センチメートル 落ちると、およそ 1 デシジュール で着地します。ばね 仕掛けの ねずみ 捕りは数 デシジュール を蓄え、強い指はじきはおよそ 1 デシジュール を放ち、下手投げの小石は数 デシジュール を運びます。ミリジュール から上がってきて、人がエネルギーを かちり という音ではなく押される感触として直に感じ取れる、最初の領域です。
製品安全は、名前こそ使わないものの、この範囲を使っています。玩具の飛び道具の規則は ジュール と ジュール の 10 分の 1 で書かれ、空気式の模擬銃は日本では銃口エネルギー 0.98 ジュール までに制限され、小さな樹脂試験片の衝撃試験は 10 分の 1 の桁で結果を出します。数値は 3 dJ や 5 dJ ではなく 0.3 J や 0.5 J と書かれますが、規制されている量はまさに デシジュール が指すものです。
デシ がほかの単位で生き残ったのは、理屈よりも便利さのためです。デシリットル は 北欧 と スイス と 中欧 の広い範囲で台所の標準の量りであり、立方 デシメートル はまさに リットル です。つまりこの 接頭語 は、ほとんど誰もが使う単位のなかに静かに組み込まれています。デシグラム は薬局や貴金属の取引に現れ、デシベル があるのは、ベル そのものが音を言い表すには刻みが粗すぎたからです。
ジュール には、そうした力のどれも働きませんでした。工学はすでに 1000 倍きざみの 接頭語 に落ち着いており、あとは小数点が仕事をします。0.4 ジュール は 4 デシジュール より書きにくいわけではなく、単位を変えずに 40 ジュール や 4 キロジュール と同じ表に並びます。接頭語 は書く手間を減らすことで居場所を得るものですが、ここでは何も減らしません。
したがってこの単位に出会うのは、たいてい古い文献か、訳された技術資料か、接頭語 の階段をひととおり通す教材のなかです。換算はどちらの向きでも造作もありません。100 倍すれば ミリジュール、10 で割れば ジュール になり、その値はまわりの書き方にそのまま収まります。
1 デシジュール は、0.1 ジュール、およそ 0.0239 カロリー、およそ 0.0000278 ワット時 に等しくなります。