| マイクロジュール (µJ) | テラジュール (TJ) |
|---|---|
| 1 マイクロジュール | 1 × 10-18 TJ |
| 2 マイクロジュール | 2 × 10-18 TJ |
| 3 マイクロジュール | 3 × 10-18 TJ |
| 4 マイクロジュール | 4 × 10-18 TJ |
| 5 マイクロジュール | 5 × 10-18 TJ |
| 10 マイクロジュール | 1 × 10-17 TJ |
| 20 マイクロジュール | 2 × 10-17 TJ |
| 25 マイクロジュール | 2.5 × 10-17 TJ |
| 50 マイクロジュール | 5 × 10-17 TJ |
| 100 マイクロジュール | 1 × 10-16 TJ |
| 基準 | マイクロジュール (µJ) | テラジュール (TJ) |
|---|---|---|
| One food calorie (kcal) | 4.184 × 109 µJ | 0.000000004184 TJ |
| An AA alkaline battery | 1 × 1010 µJ | 0.00000001 TJ |
| Daily adult food intake | 8.368 × 1012 µJ | 0.000008368 TJ |
| One unit on an electricity bill | 3.6 × 1012 µJ | 0.0000036 TJ |
| A lightning strike | 1 × 1015 µJ | 0.001 TJ |
マイクロジュール は、1 ジュール の 100 万分の 1、すなわち 0.000001 ジュール にあたるエネルギーの単位です。記号は µJ です。小さな生き物の尺度であり、短い レーザー パルス の尺度であり、センサー が目覚めるときに使う電気の尺度でもあります。道具を使わない人がそれと気づける出来事を、なお言い表せるいちばん小さなエネルギー単位です。
ここは昆虫の住まいです。0.5 ミリグラム の ノミ が 20 センチメートル 跳ぶのに使うのは およそ 1 マイクロジュール、水平に飛ぶ 蚊 が持つのはその 4 分の 1 ほどです。1 グラム を 0.1 ミリメートル 持ち上げる仕事も同じです。こうした量があってこそ、この単位は肌で分かるものになります。原理として見えないのではなく、毎秒何百万回も繰り返されないかぎり意味を持たないほど小さいだけなのです。
着火に関わる安全は、この範囲で書かれます。そして数値が機器の作り方を決めます。水素と空気の混合気に火をつける最小のエネルギーは およそ 17 マイクロジュール、大半の炭化水素の蒸気では数百 マイクロジュール です。製油所、穀物倉庫、鉱山向けの本質安全防爆機器は、どんな故障が起きても混合気の必要量を超えて放出しないことを示して認証されます。だからこそ危険場所向けの回路は、ボルト ではなく マイクロジュール で検証されるのです。
パルス 光を使う機器は、ほぼ例外なく マイクロジュール で仕様が書かれます。車載の ライダー は数 マイクロジュール の パルス を毎秒何千回も撃ち、レーザー 刻印装置は数十から数百を使い、微細加工向けの フェムト秒 増幅器はこの範囲の上端に位置します。ビーム が何を切り、何を写し、どこまで安全に照らせるかを決めるのは 1 パルス あたりのエネルギーであり、平均出力だけではその問いに答えられません。
低消費電力の電子回路も同じ言葉で予算を組みます。無線識別の受動 タグ は読み取り機の電磁場から数 マイクロジュール を得て、そのなかでやり取りをすべて終えなければなりません。近距離無線の告知 1 回は数十 マイクロジュール、水晶時計の機構は毎秒およそ 1 マイクロジュール、目覚めて測ってまた眠る温度 センサー なら 10 マイクロジュール 未満で済むこともあります。こうした機器の電池寿命は、マイクロジュール で行う算数です。
その上では ミリジュール が引き継ぎ、効果は機械的になります。手に感じる火花、耳に聞こえる音、落ちる小さな物です。その下では ナノジュール が引き継ぎ、効果は光学的、電子的になります。マイクロジュール はそのあいだの狭い帯を占めており、だからこそ、ほかに何ひとつ共有しない多くの分野が同じ 接頭語 に行き着くのです。
1 マイクロジュール は、0.000001 ジュール、およそ 6.24 × 10¹² 電子ボルト、およそ 2.78 × 10⁻¹⁰ ワット時 に等しくなります。
テラジュール は、1000 ギガジュール、すなわち 1 兆 ジュール にあたるエネルギーの単位です。記号は TJ です。国が自国の エネルギー を計上するときの単位であり、工学の カタログ よりも公式統計にはるかに多く現れます。機械ではなく、町の 1 年ぶんの消費に合わせて刻まれた大きさだからです。
国際的な エネルギー 計算はこの単位で回っています。国際 エネルギー 機関は各国の エネルギー 収支を テラジュール で公表し、国際連合の気候枠組みに提出される温室効果 ガス 目録も、燃料の使用量を同じ単位で報告します。排出係数もそれに合わせて示されます。都市 ガス を 1 テラジュール 燃やすと 二酸化炭素 が およそ 56 トン、軽油 では およそ 74 トン、石炭 では およそ 95 トン 出ます。これで エネルギー の数値がそのまま排出の数値になります。
発電もここで語られます。3 メガワット の風力発電機は、現実的な設備利用率で年に およそ 33 テラジュール を生みます。大型船 1 隻ぶんの液化天然 ガス の積み荷は 3800 テラジュール 近くを抱えており、だからこそ 1 回の輸送で小国の ガス 需要を数週間まかなえます。いっぽう系統規模の蓄電池は、いまなお 1 テラジュール の何分の 1 という単位で測られています。
破壊のエネルギーもこの尺度に届きます。TNT 1 キロトン はちょうど 4.184 テラジュール にあたるので、広島に投じられた爆弾は およそ 63 テラジュール を放ちました。マグニチュード 5 の地震はおよそ 2 テラジュール の地震波エネルギーを放射し、マグニチュード が 1 上がるごとにその量は およそ 32 倍になります。マグニチュード 7 の地震が マグニチュード 5 の 1000 倍にあたるのはそのためです。
この単位は、エネルギー の語られ方の境目も示します。これより下では、量は建物と車両と機器のものであり、話題は効率です。これ以上になると、量は政策のものになります。燃料の輸入、助成の仕組み、排出目標、系統の計画です。測っている物理は同じですが、テラジュール は会話が技術のものであることをやめ、政治のものになる場所なのです。
テラジュール の上では、階段は国の部門ごとに使う ペタジュール へ、さらに世界の合計に使う エクサジュール へと続きます。世界の一次 エネルギー 消費は年に 600 エクサジュール あまりです。この階段を下へ読み替えるのは、そのつど小数点を 3 桁ずらすだけの作業です。
1 テラジュール は、1 兆 ジュール、およそ 277.8 メガワット時、およそ 239 ギガカロリー に等しくなります。