| 基準 | キロジュール (kJ) | マイクロジュール (µJ) |
|---|---|---|
| One food calorie (kcal) | 4.184 kJ | 4.184 × 109 µJ |
| An AA alkaline battery | 10 kJ | 1 × 1010 µJ |
| Daily adult food intake | 8368 kJ | 8.368 × 1012 µJ |
| One unit on an electricity bill | 3600 kJ | 3.6 × 1012 µJ |
| A lightning strike | 1000000 kJ | 1 × 1015 µJ |
キロジュールは、1000 ジュール にあたるエネルギーの単位です。記号は kJ です。北米を除く世界の大半で栄養表示の実務単位となっており、化学反応、機械的な衝突、そして少量の蓄えられたエネルギーにとって自然な尺度でもあります。
多くの人がこれに出会うのは食品の表示です。欧州連合の規則は、エネルギーを キロジュール で表示し、キロカロリー を併記するよう求めています。オーストラリアとニュージーランドは キロジュール だけを使います。食パン 1 枚はおよそ 300 キロジュール、バナナ 1 本はおよそ 400、1 日の必要量はおよそ 8000 から 1 万 500 です。数値は キロカロリー での相当値より 4.184 倍大きく、そのため並べて見れば二つの尺度を取り違えることはまずありません。
化学はこの単位を丸ごと採り入れました。反応エンタルピー、結合解離エネルギー、格子エネルギー、活性化障壁は、いずれも 1 モル あたりの キロジュール で表にまとめられ、数値は扱いやすい範囲に収まります。典型的な単結合を切るには 1 モル あたり 150 から 500 キロジュール が要り、メタン の燃焼は 890 を放出します。
機械的な衝突も同じ尺度にあります。時速 50 キロメートル の自動車は 1 トン あたりおよそ 150 キロジュール の運動エネルギーをもち、ライフル弾は数 キロジュール、ボクサー の一撃はおよそ 1 キロジュール です。保護具の規格は、ヘルメット や防護柵が吸収すべきエネルギーを キロジュール で定めており、それによって設計が違っても等級を比べられるようになります。
この単位は、キロワット時 では大きすぎる機器に蓄えられたエネルギーも表します。カメラ の閃光装置の コンデンサー は数 キロジュール を蓄え、除細動器の放電はおよそ 0.2、圧縮空気工具の 1 動作は数 キロジュール を使います。生理学は運動のエネルギー消費に用いており、階段を 1 階分のぼると人はおよそ 20 キロジュール を費やします。
公共の場での主な競争相手は キロカロリー で、アメリカと、ほとんどどこでも日常の話し言葉のなかに残っています。両方が併記される場面では、換算係数なしに物理学の残りとつながるのは キロジュール のほうです。
材料 の 試験 は、この単位を 独特 の やり方 で使います。シャルピー の 試験 は、切り欠き を入れた 棒 に 重り の 付いた 振り子 を落とし、折る のに 吸われた エネルギー を報せます。室温 の 鋼 なら ふつう 数十 ジュール ですが、温度 が下がると 急 に減ります。その エネルギー を 温度 に対して 描けば、粘り強い 状態 から もろい 状態 への 移り目 が現れます。金属 が 曲がる のを やめ、砕ける ように なる 点 です。第二 次 世界 大戦 の 冷たい 大西洋 で 真っ二つ に折れた リバティ 船 の 調査 は、まさに この 測定 に よっていました。今日 の 鋼 の 仕様 も、定めた 温度 での 最小 の 吸収 の エネルギー を いまだに 記します。
1 キロジュール は、1000 ジュール、およそ 239 カロリー、およそ 0.278 ワット時 に等しくなります。
マイクロジュール は、1 ジュール の 100 万分の 1、すなわち 0.000001 ジュール にあたるエネルギーの単位です。記号は µJ です。小さな生き物の尺度であり、短い レーザー パルス の尺度であり、センサー が目覚めるときに使う電気の尺度でもあります。道具を使わない人がそれと気づける出来事を、なお言い表せるいちばん小さなエネルギー単位です。
ここは昆虫の住まいです。0.5 ミリグラム の ノミ が 20 センチメートル 跳ぶのに使うのは およそ 1 マイクロジュール、水平に飛ぶ 蚊 が持つのはその 4 分の 1 ほどです。1 グラム を 0.1 ミリメートル 持ち上げる仕事も同じです。こうした量があってこそ、この単位は肌で分かるものになります。原理として見えないのではなく、毎秒何百万回も繰り返されないかぎり意味を持たないほど小さいだけなのです。
着火に関わる安全は、この範囲で書かれます。そして数値が機器の作り方を決めます。水素と空気の混合気に火をつける最小のエネルギーは およそ 17 マイクロジュール、大半の炭化水素の蒸気では数百 マイクロジュール です。製油所、穀物倉庫、鉱山向けの本質安全防爆機器は、どんな故障が起きても混合気の必要量を超えて放出しないことを示して認証されます。だからこそ危険場所向けの回路は、ボルト ではなく マイクロジュール で検証されるのです。
パルス 光を使う機器は、ほぼ例外なく マイクロジュール で仕様が書かれます。車載の ライダー は数 マイクロジュール の パルス を毎秒何千回も撃ち、レーザー 刻印装置は数十から数百を使い、微細加工向けの フェムト秒 増幅器はこの範囲の上端に位置します。ビーム が何を切り、何を写し、どこまで安全に照らせるかを決めるのは 1 パルス あたりのエネルギーであり、平均出力だけではその問いに答えられません。
低消費電力の電子回路も同じ言葉で予算を組みます。無線識別の受動 タグ は読み取り機の電磁場から数 マイクロジュール を得て、そのなかでやり取りをすべて終えなければなりません。近距離無線の告知 1 回は数十 マイクロジュール、水晶時計の機構は毎秒およそ 1 マイクロジュール、目覚めて測ってまた眠る温度 センサー なら 10 マイクロジュール 未満で済むこともあります。こうした機器の電池寿命は、マイクロジュール で行う算数です。
その上では ミリジュール が引き継ぎ、効果は機械的になります。手に感じる火花、耳に聞こえる音、落ちる小さな物です。その下では ナノジュール が引き継ぎ、効果は光学的、電子的になります。マイクロジュール はそのあいだの狭い帯を占めており、だからこそ、ほかに何ひとつ共有しない多くの分野が同じ 接頭語 に行き着くのです。
1 マイクロジュール は、0.000001 ジュール、およそ 6.24 × 10¹² 電子ボルト、およそ 2.78 × 10⁻¹⁰ ワット時 に等しくなります。