| 基準 | ファーロング (fur) | オングストローム (Å) |
|---|---|---|
| A sheet of A4 paper (long side) | 0.00147638 fur | 2.97 × 109 Å |
| Average adult human height | 0.00845065 fur | 1.7 × 1010 Å |
| A football pitch (length) | 0.521952 fur | 1.05 × 1012 Å |
| A marathon | 209.75 fur | 4.2195 × 1014 Å |
| Height of Mount Everest | 43.9881 fur | 8.849 × 1013 Å |
ハロンは 220 ヤード、660 フィート、すなわちちょうど 201.168 メートルにあたる長さの単位です。1 マイルの 8 分の 1 であり、10 チェーンにあたります。
名称は古英語の furh lang(畝が長い)を縮めたもので、牛の一組が休みを必要とするまでに耕せる距離を表します。この実用的な由来が中世の細長い耕地の長さを決め、したがってハロンはイングランドにおけるマイルの定義よりも古いものです。5000 フィートのローマのマイルをイングランドの土地測量と整合させる際、マイルはハロンの整数倍になるよう 5280 フィートに延ばされました。何世代もの学童が暗記してきたあの中途半端な数字は、より古い農業単位を残したことの直接の帰結なのです。
ハロンがいまも日々使われているのは競馬です。イギリス、アイルランド、アメリカ合衆国をはじめ競馬界の多くで、レースの距離はマイルとハロンで示され、1 マイル 2 ハロンと表されるレースは 2010 メートルになります。区間タイムはハロンごとに記録され、実況もこの単位を軸に組み立てられます。埒に沿って置かれた距離標は、ゴールまでの残りハロン数を数え下げていきます。
ハロンと面積との関係は、古い記録にこの単位が残ってきた理由を説明します。エーカーはもともと、長さ 1 ハロン、幅 1 チェーン、すなわち一組の牛が 1 日で耕せる面積として定義されました。エーカーが正方形ではなく細長い長方形であるのはこのためであり、現代の 43560 平方フィートという値が唐突に見えるのもそのためです。
競馬を離れると、この単位はおおむね古語ですが、歴史的な権利証書や、ときおり法的な記述に現れます。計算機の世界の言い伝えは、次元解析を説明するためのわざと突拍子もない速度の単位として、2 週間あたりのハロンという言い方でこれを生かし続けています。
エーカー が いま の 形 を している 理由 が これ です。1 エーカー は、長さ 一 ハロン、幅 一 チェーン、すなわち 220 ヤード に 22 ヤード と定められていました。この 細長い 長方形 こそ、牛 の 一 組 が 必要 以上 に 向き を変えず に 一日 で耕せる 広さ です。十 対 一 の 比 は、いま も 空 から 見える イングランド 中部 の 畝 と 溝 の 模様 と、それら を作った どの 犂 より 長く 残った 畑 の 境 に保たれています。ですから ハロン は、測り として よりも、風景 に書き込まれた 形 として 生き残っています。
1 ハロンは 220 ヤード、10 チェーン、1 マイルの 8 分の 1、201.168 メートルに等しくなります。
オングストロームは 1 メートルの 100 億分の 1、すなわち 0.1 ナノメートルにあたる長さの単位です。1868 年に太陽スペクトルの図を作成した際にこの単位を用いたスウェーデンの物理学者アンデルス・ヨナス・オングストロームにちなむ名称で、記号はスウェーデン語のアルファベットから借りた Å です。
オングストロームが生き残っているのは、原子の大きさにちょうど合うからです。水素原子の半径はおよそ 0.5 Å です。炭素どうしの単結合はおよそ 1.5 Å です。これらをナノメートルで表すと扱いにくい小数になるため、結晶学者、分光学者、構造生物学者はいまも古いこの単位を好んで使います。公開データベースに登録されたタンパク質の構造は、現在も分解能をオングストロームで示しており、2 Å より良い分解能で解かれた構造は良質とみなされます。
可視光の波長も扱いやすい範囲に収まります。赤い光は 7000 Å 付近、紫の光は 4000 Å 付近です。X 線の波長は 1 Å 前後に集中しており、X 線回折が原子の間隔を明らかにできるのはまさにこのためです。調べる手段と調べる対象の大きさが同じだからです。
オングストロームは国際単位系には含まれません。国際度量衡局は SI と併用してよい単位として挙げていますが、新たな使用は勧めておらず、ナノメートルやピコメートルを推奨しています。しかしこの方針は、この単位が根づいた分野ではほとんど効果がありませんでした。半導体製造がその好例です。プロセスノードは何十年ものあいだナノメートルで呼ばれてきましたが、構造が小さくなるにつれ、業界はゲート酸化膜の厚さをオングストロームで示すようになり、インテルは自社技術のある世代を「オングストローム時代」と名づけました。
古い科学文献を読むときには注意が必要です。オングストロームがメートルに結び付けられる前は、カドミウムの特定のスペクトル線を基準に定義されており、20 世紀初頭に発表された数値は現代の値とわずかに異なることがあります。国際天文学連合は 1907 年にこの分光学的な定義を採用し、1960 年にメートル自体がクリプトンによって再定義されるまで用いられました。差はわずかですが確かに存在し、過去のスペクトル測定と現在の測定を比べる際には無視できません。
換算は簡単です。1 オングストロームは 10-10 メートル、0.1 ナノメートル、100 ピコメートルに等しく、10 オングストロームで 1 ナノメートルになります。