| 電子ボルト (eV) | メガジュール (MJ) |
|---|---|
| 1 電子ボルト | 1.602176634 × 10-25 MJ |
| 2 電子ボルト | 3.204353268 × 10-25 MJ |
| 3 電子ボルト | 4.806529902 × 10-25 MJ |
| 4 電子ボルト | 6.408706536 × 10-25 MJ |
| 5 電子ボルト | 8.01088317 × 10-25 MJ |
| 10 電子ボルト | 1.602176634 × 10-24 MJ |
| 20 電子ボルト | 3.204353268 × 10-24 MJ |
| 25 電子ボルト | 4.005441585 × 10-24 MJ |
| 50 電子ボルト | 8.01088317 × 10-24 MJ |
| 100 電子ボルト | 1.602176634 × 10-23 MJ |
| 基準 | 電子ボルト (eV) | メガジュール (MJ) |
|---|---|---|
| One food calorie (kcal) | 2.61145 × 1022 eV | 0.004184 MJ |
| An AA alkaline battery | 6.24151 × 1022 eV | 0.01 MJ |
| Daily adult food intake | 5.22289 × 1025 eV | 8.368 MJ |
| One unit on an electricity bill | 2.24694 × 1025 eV | 3.6 MJ |
| A lightning strike | 6.24151 × 1027 eV | 1000 MJ |
電子ボルトは、1 ボルト の電位差を通り抜ける電子 1 個になされる仕事にあたるエネルギーの単位です。記号は eV です。2019 年の SI の再定義以降、その値は厳密に 1.602176634 かける 10 の マイナス 19 乗 ジュール と定まりました。電気素量そのものが、いまや定義された定数だからです。
この単位が存在するのは、原子の世界にとって ジュール が絶望的に大きすぎるからです。可視光の光子 1 個が担うのはおよそ 1.6 から 3.3 電子ボルト であり、これを ジュール で書けば頭に 19 個の零が並びます。電子ボルト で扱えば、化学結合のエネルギーも、原子の遷移も、素粒子の衝突も、1 から数までの数値で言い表せます。単位に求められているのは、まさにこれです。
この尺度は、いくつもの分野をまるごと整理します。化学は数 電子ボルト に住み、それは結合のエネルギーであり、結合を断つ可視光や紫外線の光子のエネルギーです。エックス線は キロ電子ボルト を占めます。原子核物理は メガ電子ボルト で働き、それは結合エネルギーと放射性崩壊の尺度です。素粒子物理は ギガ電子ボルト を用い、そこでは陽子の静止質量が 0.938 です。大型ハドロン衝突型加速器では テラ電子ボルト を使い、その陽子は 1 個あたり 6.8 を担います。
質量も、質量とエネルギーの関係を通じて同じ単位で示されます。粒子の静止質量は、電子ボルト を光速の 2 乗で割った形で与えられますが、物理学者はふつうその除数を省き、電子は 511 キロ電子ボルト だと言ってしまいます。同じ約束のもとで、ヒッグス粒子は 125 ギガ電子ボルト です。
半導体の工学はこの単位に依存しています。ある物質の電気的、光学的なふるまいを決める バンドギャップ は、電子ボルト で表したエネルギーです。ケイ素はおよそ 1.1、窒化ガリウムは 3.4 であり、このひとつの数値が、その素子が太陽電池になるのか、トランジスタになるのか、青色発光ダイオードになるのかを決めます。
天文学は、高いエネルギーの光子についてこの約束を受け継いでいます。そのためガンマ線望遠鏡は、観測結果を波長ではなく ギガ電子ボルト や テラ電子ボルト で報告します。
粒子 の 加速 器 は、達する エネルギー に ちなんで 名づけられ、その 名 は 接頭 語 を たどります。1932 年 に はじめて 原子 核 を 割った コッククロフト と ウォルトン の 装置 は 数百 キロ 電子 ボルト で働きました。1950 年代 の ベバトロン は 十億 の 桁 に達し、反 陽子 を見つけました。そして 大型 ハドロン 衝突 型 の 加速 器 は 陽子 を それぞれ 6.8 テラ 電子 ボルト まで もっていきます。宇宙 線 は これ すべて を 相対 化 します。10 の 二十 乗 電子 ボルト まで の エネルギー で到来し、どの 装置 が作れる 量 の 数千万 倍 だからです。もっとも、その ような 粒子 は 一 平方キロメートル あたり 一 世紀 に ほんの わずか しか 地球 に届きません。
1 電子ボルト は、およそ 1.602 かける 10 の マイナス 19 乗 ジュール、およそ 3.83 かける 10 の マイナス 20 乗 カロリー に等しくなります。
メガジュールは、100 万 ジュール にあたるエネルギーの単位です。記号は MJ です。エネルギーが実験室のなかの量であることをやめ、目に見える物理的な帰結をもつものに変わる、その尺度にあたります。
いちばん分かりやすい手がかりは走っている車です。1500 キログラム の乗用車が時速 100 キロメートル で走ると、およそ 0.58 メガジュール の運動エネルギーをもちます。衝突すれば、そのすべてがどこかへ行かなければなりません。衝撃を吸収する構造はまさにこの数値をめぐって設計されており、車両の安全基準に書き込まれているのが速度ではなく衝突エネルギーであるのはそのためです。
爆薬もここで格付けされます。ダイナマイト 1 本はおよそ 1 メガジュール、TNT 1 キログラム はおよそ 4.2 メガジュール を解き放ちます。TNT 換算は測定値ではなく定義された値なので、メガジュール は化学爆薬とそれ以外のエネルギー解放とのあいだに橋を架け、隕石の衝突や産業事故を、解体用の装薬と同じ尺度で語れるようにします。
人が 1 日に取り入れるエネルギーはおよそ 10 メガジュール で、これは 2400 キロカロリー を反対側から見た同じ数値です。肉体労働も同じ程度です。安静時の代謝を上回る手仕事の 1 日は数 メガジュール、自転車の長い 1 区間ならおそらく 15 メガジュール ほどを費やします。
燃料の質量あたりのエネルギー密度も、この尺度にあります。ガソリン は 1 キログラム あたりおよそ 46 メガジュール、木材はおよそ 16、現代の リチウム 電池はおよそ 0.9 です。この最後の比較、すなわち 50 倍という差こそが、電気自動車が実現しているのに電気飛行機がなお難しい理由を、たったひとつの数値で説明します。
産業と軍事の装置は、蓄えたエネルギーと放出したエネルギーにこの単位を使います。レールガン や電磁投射装置の性能は砲口での メガジュール で示され、はずみ車による蓄電も メガジュール、核融合実験で大型の コンデンサー 群が放出するエネルギーも同様です。
蓄える 技術 を この単位で比べる こと は ためになります。隔たり が とても 大きい からです。ガソリン 1 キログラム は およそ 46 メガジュール、乾いた 木 1 キログラム は およそ 16、リチウム イオン の 電池 1 キログラム は わずか およそ 0.9 で、燃料 の 五十 分 の 一 ほど しか ありません。この 一つ の 比 が、電気 による 飛行 の 技術 上 の 難しさ の 大半 と、電気 自動車 の 重さ の 多く を説きます。逆 に、ウラン 235 を 1 キログラム 完全 に 分裂 させれば およそ 八千万 メガジュール が出て、物質 1 キログラム を まるごと エネルギー に変えれば 九百億 になります。この単位は、接頭 語 を 数 回 変えるだけ で その 全 域 を覆います。
1 メガジュール は、100 万 ジュール、およそ 0.278 キロワット時、およそ 239 キロカロリー に等しくなります。