| 基準 | デシパスカル (dPa) | ギガパスカル (GPa) |
|---|---|---|
| Atmospheric pressure at sea level | 1013250 dPa | 0.000101325 GPa |
| Healthy blood pressure (120 mmHg) | 160000 dPa | 0.000016 GPa |
| A car tyre | 2200000 dPa | 0.00022 GPa |
| A racing bicycle tyre | 6000000 dPa | 0.0006 GPa |
デシパスカル は、パスカル の 10 分の 1 にあたる圧力の単位です。記号は dPa です。これは、誰かが求めたからではなく、体系が規則正しいからこそ存在する メートル法 の 接頭語 の 仲間 です。デシ、センチ、デカ、ヘクト は 1000 きざみ の 接頭語 のあいだの すきま を埋めますが、この 4 つのうち圧力に永く住みついたのは ヘクト だけで、それが天気予報の ヘクトパスカル です。
この規則正しさは メートル法 のねらいそのものであって、偶然ではありません。ヨクト から ヨタ までのどの 接頭語 も、どの単位にも付きます。ですから デシパスカル は、誰が書くかどうかにかかわりなく定まっています。もうひとつの道は、ある組み合わせは許され、別の組み合わせは許されない体系でしょう。すると使う人は、ひとつの規則ではなく例外の表を覚えねばならなくなります。
実際には、圧力の仕事は パスカル から ヘクトパスカル か キロパスカル へ跳び、あいだの 4 つの 接頭語 は使われないままです。それには習慣を超えた理由があります。ミリ、キロ、メガ という 1000 きざみ の 接頭語 は、数字を書くときの けた の区切りかたと そろっています。ですから キロパスカル の値は、小数の けた を数えるのではなく、区切りを動かすだけで パスカル の値から読めます。デシ と センチ は、その そろい を崩してしまうのです。
とはいえ デシパスカル にも自然な大きさはあります。パスカル の 10 分の 1 は、机に置いた薄い紙 1 枚 ほどの圧力、あるいは高さ 1 センチメートル ぶんの空気の圧力の差にあたります。蛾 が 窓 ガラス に及ぼす圧力であり、換気された建物で閉じた内 扉 の 両側 の圧力差の およそ 100 分の 1 です。
そうした圧力を書き留める必要があるとき、慣わしは パスカル を小数で使うことです。風速計 の校正は 4 デシパスカル ではなく 0.4 パスカル と記し、換気の仕様は 500 デシパスカル ではなく 50 パスカル と記します。数は同じで、パスカル のほうが ほかの すべて の値と ひとつづき に読めます。
この単位は いまも まったく 正しく、換算器 は これを扱えなければなりません。古い器械の手引きや、いくつかの国の規格や、点の前に けた が 1 つ あるほうが後ろに 3 つ あるより読みやすいと書き手が判じたところに、顔を出すからです。
1 デシパスカル は、0.1 パスカル、100 ミリパスカル、0.001 ヘクトパスカル、あるいは およそ 0.0000145 ポンド 毎 平方 インチ に等しくなります。
ギガパスカル は、10 億 パスカル にあたる圧力の単位で、GPa と書きます。1000 メガパスカル、1 万 バール です。材料科学が強さではなく剛性を示す単位であり、惑星の内部と高圧の実験室の圧力を言い表す単位でもあります。
おもな使い道は弾性率です。鋼の ヤング 率は およそ 200 ギガパスカル、銅は 117、アルミニウム は 70、ふつうの ガラス は 70、コンクリート は 30 前後、木材は 繊維 方向で 10 から 15、ゴム は 1 の 10 分の 1 にも達しません。これらの数は、材料がいつ壊れるかではなく、荷重のもとでどれだけ伸びるかを表します。同じ強さの鋼の 梁 が アルミニウム の 梁 より たわみ が小さい理由も、ここにあります。
ふつうの尺度の頂点を占めるのは ダイヤモンド です。その弾性率 およそ 1200 ギガパスカル は天然の材料として最高であり、だからこそ高圧の実験の 金床 に用いられます。ほかのどんな材料も、それだけ強く押す前に自分が変形してしまうのです。人造 ダイヤモンド は およそ 5 ギガパスカル と高温のもとで工業的につくられます。その圧力を保つためだけに建てられた 圧搾機 のなかでの仕事です。
地球の内部も同じ単位で語られます。地殻の底での圧力は およそ 1 ギガパスカル、マントル と 核 の境ではおよそ 136、惑星の中心ではおよそ 360 ギガパスカル です。実験室の ダイヤモンド アンビル セル は、いまや中心の値に達し、これを超えます。おかげで、惑星の内部条件のもとでの鉄と ケイ酸塩 のふるまいを、推し量るのではなく直に調べられるようになりました。
対比のために言えば、海の最深部が及ぼす圧力はわずか およそ 0.11 ギガパスカル です。この比べ方は覚えておく値打ちがあります。地質の圧力が、水にまつわるどんなものよりどれほど大きいかを示すからです。マリアナ 海溝の底は、地球の中心の圧力の 1000 分の 1 にすぎません。
ギガパスカル の下では メガパスカル が強さを言い表し、上には恒星の物理と理論のほかにはほとんど何もありません。テラパスカル が現れるのは、おもに 炭素 ナノチューブ の弾性率と、巨大惑星の内部です。ですから ギガパスカル は、実験室と技術者が働く範囲の、事実上の 天井 なのです。
1 ギガパスカル は、10 億 パスカル、1000 メガパスカル、1 万 バール、あるいは およそ 14 万 5000 ポンド 毎 平方 インチ に等しくなります。